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私の鬱と「星の王子さま」 [雑感]

「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
 
 かんじんなことは目に見えないんだよ」

(サン=ジュグテペリ「星の王子さま」より)


私は最近やっと10年に及ぶ鬱病から動けるようになりました。

冒頭の一句は私の場合によくあっていたので、メモしておきます。



私が鬱病になった原因は、自分を他人からの評価で形作っていたから。そう考えています。

上司が笑顔で話してくれたらうれしく、不機嫌に叱責されたら落ち込む。

これを上司に限らずほぼすべての人に当てはめて、私は生活していました。

しかし、私がどんなに知恵を持っていたとしても、他人の感情は予測も制御もできませんし、

その理由も分かるはずはありません。

なのに私は

「上司が機嫌良かったから俺は価値があるんだ。」

「先輩に機嫌悪そうに注意されたから俺はダメなんだ。」

などと、自分の評価を全く得体の知れない他人の感情に結びつけていました。

これは最悪です。




どんなに自分が改善しても努力しても効果なんて一切ありません。

そうなるとすべてのものが不安の対象になります。

すべてが灰色に見えて、何を食べても砂を噛むように感じ、そして動けなくなりました。

「かんじんなことは目に見えない」のに、目に見えてる他人を自分だと信じていたのです。





私が動けるようになったのは「目で見ることで自分の形を作る」から

「心で感じることで自分の形を作る」に変えたのがきっかけです。

他人よりも、自分の感じることを最優先にする。

例えば、動けないときに会社からは「とにかく来い」とせっつかれました。

はじめは「迷惑かけてるから行かないといけない」とがんばろうとしてました。

それを「行ったら自分は楽しめるか?なにかうれしいか?」と考えるように変えました。

自分が嫌だとなったら行かない。

「すこし運動のつもりで行って、しんどくなったら速攻で帰ろう」と思えたら少し行く。

他人の迷惑なんて脇に置くようにしました。


他人が良いというから良いのではなく、

自分が良いと思うことが良いことだ考え、その良いことをせっせと集めるようにしました。

・今日は歯を磨けた
・食事ができた。
・着替えができた
・外に出れた
・天気がよかった
・管理の人に挨拶できた

など、とても小さいけど、自分がいいと思うことを集め数えました。





会社で私と同じように鬱で休職した人と話すとみんな同じことを言います。

「なんであんなに会社にあわせようとしてたんだろう??」

会社には本当にまじめでいい人が多いです。

でもそんな人ほど休職しやすいのも事実です。

まじめでいい人は他人の為に自分を捧げる傾向が強く、

自分がよかれと思ったことに全く手応えがないことに戸惑って、自分を見失ってしまう。

他人という目に見えるもので自分のやったことを評価するのは、やめておいた方が良さそうです。





追記:私はまじめでいい人ではありません。(当社比)



 
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