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読書感想文 「入門・世界システム分析」 ウォーラーステイン著 [読書]

今、会社の中では一体何を作ったらいいのか、みんなわからないです。

これは個人の能力の問題なのか、マネジメントの問題なのか?

そうではなく世界に最適化した会社の構造の問題であり、

そして、その世界も世界システムそれ自体では解決できない状況を迎えつつある。

このようなことを考えさせてくれる本が、ウォーラーステインの「入門・世界システム分析」です。



今の世界システムは資本主義的世界=経済であるとしています。

資本主義とは「無限の富の蓄積を追い求める」こと。

生産者はより安く作ってより高く売るという行動を基本とします。

世界のその他の要素は資本主義的世界=経済のなかでそれぞれ規定されます。



生産者はより安く作ってより高く売ろうとすると、どうしても同じ地域で生産コストの上昇を招きます。

理由の一つは安く作るために労賃を切り詰めると、高く売るための市場を作れないため、労賃を上昇させることを必要とします。

このようなコスト増の回避には、活動範囲を広げ拠点を変えるのが有効です。

このためのコンセプトがグローバリゼーションや新自由主義です。



グローバリゼーションにも限界があります。

安い労働力を得るために非賃金労働者を賃金労働に組み込み続けないといけません。

非賃金労働者にも限りがあります。

新たに賃金労働に組み込む人口が尽きた時、グローバリゼーションも資本主義経済も行き詰まります。





会社の中で何を作ったらいいのかわからないというのは

この行き詰まりの兆しが現場で見えてきたということ。

社内では闇雲にグローバル化が叫ばれていますが、

なぜそれが必要なのか、具体的に何をすることなのか、

構造を押さえて語られることはありません。


この本の内容を頭において政治経済ニュースを見ると風景が変わりました。


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