投入一次エネルギーから日本の生産性を考えてみた。 [テクノロジー]
日本人は本当に生産性が低い仕事しかできていないのか?
このことについて投入された一次エネルギーを基準にして考えてみました。
一次エネルギーは生産に用いられるのと同時に、
私達の生活を支え労働力の再生産に用いられます。
なので
一次エネルギー ≒ 生産過程に必要な総資源
GNI ≒ 労賃
とみなして 生産性を考えます。
考えてみた結論は
「日本の生産過程は世界トップレベルの効率を有しているが、労賃は低く抑えられている」 です。
以下、試算です 。
試算に用いた数字は下のようなものです。
GNI | GDP | 消費一次エネルギ― | |
(一人あたり ドル) | (一人あたり ドル) | (一人あたり 石油換算 本) | |
日本 | 34,670 | 46,735.72 | 3.9 |
米 | 47,360 | 49,922.11 | 7.1 |
ドイツ | 37,650 | 41,512.75 | 4 |
<単位エネルギーあたりのGNP>
はじめにGNPと一人あたりの消費一次エネルギーの比をとり、国ごとに比較しました。
日本を1とすると、
アメリカ 0.58、
ドイツ 0.87、
と、なります。
同じエネルギーを用いた場合に日本が最も財とサービスを生み出せることとなります。
<単位エネルギーあたりGNP に対してのGNI>
次に各国のGNIと、上で出した単位エネルギーあたりGNPの比をとりました。
GNI ÷ 単位エネルギーあたりGNP を計算しました。
生産した財とサービスに対してどれほどの所得が生じているかを見ます。
日本を1とした時、
アメリカ 2.33
ドイツ 1.25
これより、同じ生産に対してアメリカでは日本より2.3倍、ドイツでは1.25倍の所得が生じています。
<結論>
以上より、
「日本は世界でトップクラスの生産性で財とサービスを生み出せている」
「生み出した財とサービスに対して、得られる所得は低い」
このように結論できると思います。
<その他>
このようなことを考えたきっかけは、
労働と生産の間にあるマネジメントの能力を測る方法を考えだすためです。
経営の方針に従って大きな工場を頑張って稼働させたのに、その工場が収益を圧迫した時、
頑張った人たちの生産性はマイナスになってしまします。
このような方法で「日本人は生産性ガー」と言われるのはちょっと釈然としないわけで・・・
安倍首相がGNIを15,000ドル上げるとおっしゃってられましたが、
それでもGNIと単位エネルギーあたりのGDPを比較するとアメリカの2/3程度です。
この試算が全く妥当なものだとは思っておりません。
何かの参考になれば幸いです。
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